1. 遺言書調査には「効率的な順序」がある
遺言書を「やみくもに探す」のは、時間と労力を大きくロスする原因になります。以下のフローである程度、効率的に調査を進める方法をお伝えします。
ステップ1:自宅等の「簡易捜索」 (目安:1か月程度)
まずは、実家で貴重品を保管している場所(仏壇、金庫、引き出し等)を確認します。通帳や保険証券と一緒に、以下のものがないかを探しましょう。
- 公正証書遺言の「謄本」: ※公正証書遺言を作成すると、通常「正本」と「謄本」が発行されます。紛失リスクを考え、公証人は「内容を確認するために謄本を自宅に保管しておくように。遺言は書き換えることもできますよ。」と案内することが多いため、自宅で見つかる可能性が高いのはこちらです。「正本」は主な遺産を受け取る人に渡してしまうこともあれば、内容を知られたくないためにどこかに保管していたり、誰かに預けている可能性が考えられます。
- 銀行の貸金庫に関する手がかり: ※通帳の引き落とし明細に「貸金庫」などの名目がないか確認してください。あわせて、高額な入出金、消費者金融やカードローンなどの借金関係の書類がないかも同時にチェックします。
- 法務局からの通知: ※自筆証書遺言を法務局に預ける「保管制度」を利用しており、かつ「指定者通知」を設定している場合は、遺言者が亡くなってから数週間程度で通知が届くはずです。
- 聞き込み調査:仲が良い知人や顧問弁護士や顧問税理士がいれば、第三者の知人や専門家が預かっている場合もあります。
ステップ2:公証役場での検索や法務局での閲覧 (目安:1か月後以降)
自宅で見つからない場合や、念のために確認したい場合は、公証役場の「遺言検索システム」を利用します。これにより、全国の公証役場で作成された公正証書遺言の有無を確実に調べることができます。
自筆証書遺言の保管制度を利用しているものの、上記のような「通知」が届かない設定になっているケースもあります。この場合、法務局に対して「遺言書保管事実証明書」の交付を請求することで、預けられている遺言書の有無を確認できます。
【司法書士の視点:争族を防ぐための配慮】 もし、相続人の中に疎遠な方や、仲が良くない方が一人でもいる場合は、「自宅を捜索する前に」相続人全員で立ち会うか、遠方の場合は事前に許可をもらっておくことを強くお勧めします。
「自分に隠れて何か探しているのではないか?」というちょっとした不信感が、後の大きな紛争(争族)の引き金になる危険があるため、事前の丁寧な声掛けが何よりの安全策となります。
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