「父が亡くなったけれど、誰がどのくらいもらうのが正解なの?」 相続が始まると、まず直面するのが「分ける割合(法定相続分)」の問題です。
法律では、残された家族の組み合わせによって、受け取る割合の目安が決まっています。この記事では、難しい用語を使わず、図解でシンプルに解説します。
1. 法定相続分は「家族で話し合うための目安」
まず知っておきたいのは、法定相続分は「絶対にこの通りに分けなさい」という強制ではないということです。
- 全員が納得すれば、どんな分け方でもOK
- 話し合いがまとまらない時の「基準」になるもの
まずは、自分の家族のケースでは「法律上の目安」がどれくらいなのかを確認してみましょう。
※補足:遺言書がある場合 基本的には「遺言書」の内容が優先されますが、相続人全員の合意があれば、遺言や法定相続分にとらわれず、話し合いで分け方を決めることも可能です。
2. 【図解】家族構成で変わる「もらえる割合」
あなたの家族はどのパターンに当てはまるでしょうか?
【図解】法定相続分のパターン
1/2
1/2
※子供が複数いる場合は、1/2を人数で等分します。
2/3
1/3
3/4
1/4
配偶者がいない(または他界している)場合
配偶者がいない場合は、以下の順位で「生きている人たち」がすべてを相続します。
- 第1順位:子供(全員で100%)
- 第2順位:子供がいない場合、親(全員で100%)
- 第3順位:子供も親もいない場合、兄弟姉妹(全員で100%)
3. ケース別・よくある3つのパターンを詳しく
ケース1:配偶者(妻や夫)と子供がいる場合
もっとも多いケースです。
- 配偶者:1/2
- 子 供:1/2 ※子供が2人いるなら、1/2をさらに半分ずつにして「1/4ずつ」となります。
配偶者 と 子供 が相続人の場合
ケース2:子供がおらず、親が健在の場合
配偶者の取り分が少し増えます。
- 配偶者:2/3
- 親 :1/3
配偶者 と 親 が相続人の場合
- 子供がいない(または他界している)場合に適用されます。
- ご両親がともに存命なら、1/3を半分ずつ分けます。
- ※義父母(配偶者の親)には相続権はありません。
ケース3:子供も親もおらず、兄弟姉妹がいる場合
配偶者が大部分を受け取ります。
- 配偶者:3/4
- 兄弟姉妹:1/4
配偶者 と 兄弟姉妹 が相続人の場合
- 子供・親がともにいない(または他界している)場合に適用されます。
- 兄弟姉妹が複数いる場合は、1/4を人数で等分します。
- もし兄弟姉妹の中に亡くなっている方がいれば、その子供(甥・姪)が引き継ぎます。
現在の法定相続分のルールは、昭和56年(1981年)1月1日以降に亡くなった方に適用されるものです。
もし、数十年前に亡くなったご先祖様の名義が残ったままの「実家の相続」を遡って手続きする場合、昭和55年以前の古い法律が適用され、現在の割合とは異なるケースがあります。
相続の状況はご家庭ごとに異なり、基本の割合だけでは判断しきれないケースも少なくありません。
- 「孫が相続人になるケース」など、家族構成が少し複雑な方
- 「生前に援助を受けていた場合」など、公平に分けたい方
- 借金があるかもしれない、相続を辞退したいと考えている方
4. 「実家の相続」で次に確認すべきこと
法定相続分という「数字」がわかったら、次に考えるべきは「その割合をどうやって実家(不動産)に当てはめるか」です。
現金と違い、実家はきれいに分けることが難しいため、実際には以下の3つのいずれかを選択することが一般的です。
- 現物分割(げんぶつぶんかつ) 実家は長男、現金は次男といったように、財産ごとに分ける方法です。
- 換価分割(かんかぶんかつ) 実家を売却して現金化し、そのお金を協議した配分で分ける方法です。
- 代償分割(だいしょうぶんかつ) 実家を継ぐ人が、他の相続人に自分のポケットマネーから「相当する額」を支払う方法です。
どの方法がベストかは、建物の状態や立地、そしてご家族の今後の生活設計によって異なります。まずは「わが家の場合は、どの分け方が現実的か」をイメージすることから始めてみてください。
5. まとめ:一つずつ「わが家の状況」を整理しましょう
法定相続分は、あくまで相続という長い道のりの「入り口」にある目安です。 この数字を知ることで、ようやく「わが家の場合はどうなるのか?」という具体的な検討を始めることができます。
実家の相続には、法律の知識だけでなく、不動産の評価や税金、そして何よりご家族それぞれの意向など、考えるべきステップがいくつかあります。
一度にすべてを解決しようとすると難しく感じてしまいますが、一つずつ情報を整理していけば、必ず納得できる着地点が見つかります。
「実家カルテ」では、この記事以外にも、
- 不動産を名義変更する際の手順
- 実家の価値を正しく知る方法
- 将来のトラブルを未然に防ぐ準備 など、具体的なステップに合わせた解説記事を多数用意しています。
まずは焦らず、気になる記事から順に読み進めてみてください。 知識を深めることが、大切な実家と家族の未来を守るための確かな第一歩になります。
本記事の内容は、公開日時点の法令・実務慣習に基づいた一般的な情報の提供を目的としています。相続手続きは個別の事情により判断が異なるため、本記事の情報のみに基づいて行われた判断や行動によって生じた結果について、当サイトおよび監修者は一切の責任を負いません。重要な判断を伴う手続きの際は、必ず司法書士等の専門家へ個別にご相談ください。




